こんにちは
年末も記事を書いているあんきもです
今回はアクアリウムをしていると必ず話を聞く硝酸について
硝酸が検出されると何が分かるのかにも触れていきます。
高校生物(窒素循環)でもお話がある「硝化(または硝化反応)」についても簡単な解説をします。
趣味程度の簡単なお話になるのでよろしければ最後まで見ていって下さい(*´ω`*)
硝酸から分かる水質
アンモニアを酸化させてできる亜硝酸・硝酸は生物を飼育するうえで水質を知る指標となっています。
既に知っている方も多いと思いますが、アンモニアが検出される水はお魚にとって有害であると認識しているでしょう
次に亜硝酸もお魚にとって有害で、できるだけない方が良いと知っている方も少なくないかと思います。
最後に硝酸ですが、この物質も多く蓄積すると様々な病気やコケの原因となるので、小まめな水替えは必要不可欠であります。
長く飼育をしていると分かると思いますが
生物ろ過が上手く機能していれば毒性のあるアンモニアや亜硝酸がほとんど検出されません。
また、ここから分かるのは特定の細菌類についてですが、一部の微生物が水槽でしっかりと増えていることの指標にもなります。
これを勘違いする方が少なくないのですが、硝酸がほとんど検出されない水質を目指すのは失敗に繋がります。
逆に、飼育生体に十分エサを与えている環境で硝酸だけがしっかり検出される水槽を目指して下さい。
たまにTwitterで見かける
「亜硝酸も硝酸もでないから問題ない」こんな水質
アンモニアが多い?
そもそも有機物(主にタンパク質)が分解される環境にない?
そんなことを考えますね。
生体が入っている水槽で、十分エサを与えてこのような水質になるのはかなり危険です。
イメージとしては、お魚などを飼育していたら自然と毒物(アンモニアなど)が出る認識でいると良いでしょう
様々なメーカーから出ている水質を調べる試験紙
それは何の知識もなく書いてあることを見るだけでは意味がありません。
上記の亜硝酸も硝酸もでない水質は、私なら硝化が上手くいっていないのではないかとアンモニアも調べます。
他にはpHの数値を確認し、pH 7.0を超えるかも見てみます。
なぜこれらの確認が必要か。
まず硝化から説明しましょう。
硝化について
硝化とは、アンモニアが微生物によって酸化されて亜硝酸に、亜硝酸が酸化されて硝酸になっていく反応を言います。
この反応には、ニトロソモナスとニトロバクタ―という硝化細菌が関わっています。
(最近、同じような働きをする細菌が見つかっているそうですね細菌だけに)
これらの細菌の働きによってアンモニアは最終的に毒性の低い硝酸へ変えられていきます。
つまり、亜硝酸や硝酸が検出されない水質はこれらの硝化反応が進んでいないと考えられます。
(他には脱窒により窒素ガスになっていることもあるでしょうが、何も対策せずにこれらの反応を上回るほどできているというのは考えにくいです)
このような水質が考えられるのは、
アンモニア(アンモニウムイオン)が分解されていない
立ち上げ初期で有機物の分解が進んでいない
ここら辺が疑われます
他には水草水槽ですが…
水草は他の成分も必要になるので、栄養を添加していない限りは考えにくいですね
(そもそもそれらを理解している方はこれを読んでいないかもしれません)
水草はこれらを窒素源として利用できますが、それ以上にコケの原因になるので生体の負担にならないように除去しましょう。
細菌の好適環境
ニトロソモナスはpH 7.5~pH 9.0 水温30℃前後が好ましいと聞きます。
pH 6.5以下だと硝化反応が下がるらしいのですが…
我が家の水槽pHは平均するとpH 6.0がほとんどであるため、あまり気にしすぎても良くないでしょう。
逆に、アンモニウムイオンはpHが高いと有害なアンモニア(NH₃)に変わるので下手に上げる方が危険です。pH7.0を超えてアルカリ性(塩基性)よりになるのであれば気にすればよいかと。
NH₄⁺⇔NH₃
どのみち硝化が進むと水質は酸性に傾くので、pH以外で好適な環境を整えましょう!
個人的には水温を26℃に維持して、水温変化を抑えた方が効果的かと思います
そして、重要なポイントとして、硝化細菌は好気的な環境で硝化を行う細菌であることを理解してあげると良いですね。
硝化細菌たちはこの酸素を利用してアンモニアを酸化させています。
そのため、水中に利用できる酸素が多いほど活躍の場は整っていきます。
ちなみにですが、硝化細菌はアンモニアや亜硝酸をエサとしているわけではなく、炭酸などを同化するのに必要なエネルギーを硝化反応から得ているだけだったりします。
バクテリアによる有機物の分解で炭酸ガスが発生するため、この部分は気にしなくても良いでしょう。この為だけにCO₂の添加は必要ありません。
ヒルガタワムシなどの微生物は硝化が十分進み、酸素が多い好気的な環境だと増えやすいようです。
硝化細菌を増やすためには?
私が思う大きなポイントは3つ
- 変化の少ない適度な温度
- 酸素の多い環境
- 長期的な管理
変化の少ない適度な温度
一番良いのは細かく設定できるヒーターで26℃に設定することですね。
室温で管理できればいいのですが、(専用の部屋でない限り)室温は少しムラがある場合があるのでヒーター管理が簡易的だと思います。
26℃の理由は、オートヒーターを基準にしています。
28℃管理と言いたいのですが、冬のこの時期にそこまでする必要があるかは疑問なので、生体を入れない初期にはいいかもしれませんね。
他には、水温変化が激しいと細菌の安定した増殖に影響を与えるので、ヒーターを使って温度変化を減らしましょう。
水量も多い方が良いですね。
酸素の多い環境
エアレーションをすると良いですね。
飼育対象が底生魚メインの私はエアレーション推しです。
水草の光合成による酸素供給もありますが、初心者向けの内容なのでその部分は割愛します。
オススメとしては、45cm水槽であれば2つ以上エアーが排出されるようにしていると底生魚は安心ですね。
エアストーンは細かいエアーが出るものが良いです
他には細菌が定着しやすいスポンジフィルターもオススメです。
長期的な管理
立ち上げから1ヶ月は硝化細菌が安定しないと思って下さい。
硝化細菌は分裂に時間がかかるのでなかなか増えにくかったりします。
ちなみに、私が立ち上げ初期から生体を入れているのは自前でバクテリアをとっておいているからです。
安定したバクテリアの供給源はよく働いている水槽の濾過槽と飼育水です。
立ち上げ初期にパイロットフィッシュを入れるやり方もありますが
生体のパワーバランスに影響を与えることと、個人的にやらない手法なのでオススメしません。
市販のバクテリア剤は意味がないという話もありますが、何もない状態から始めるのであれば大きく差がつくと思います。
我が家の水槽は様々なバクテリア剤のミックスバクテリアになっているので、結構キレイな状態を維持してくれています。
水草などの生体にも付いていますので、そこからの流入に期待してもいいかもしれません。
他には、長期維持のためにアンモニア源が必要です。
初期のソイルからもアンモニアが出る場合があるので、それを利用してもいいかもしれません。
その後、お魚を飼育していればそれがアンモニア供給源になるので、しっかり硝化細菌が増えていれば硝酸が検出されるようになります。
増殖が良好な状態だとアンモニアが検出されなくても早いサイクルで硝化が進むため、硝酸のみ増えていくように見えます。
補足ですが、他の細菌は速く増殖することと、アンモニアの過剰な状態になるのを防ぐため、水替えは適度に行いましょう。
硝酸を調べて分かること
アクアリウムで硝酸を調べる理由について簡単にまとめてみます。
生物ろ過ができている
アンモニアや亜硝酸が少なく、硝酸が多く検出される水質では生物ろ過が十分機能しているということが分かります。
もちろん、与えている餌や飼育している個体数によっても変わりますが、基本的に水槽に対して過剰に飼育している方をよく見るので、大きく違うことはないでしょう。
これを俗に、水ができていると言ったりしますね。
必ず透き通った透明になるとは限らないので、そこは間違えないように
コケが生えやすい
硝酸が多いとコケが生えやすいです。
取りにくい厄介なコケはこのような環境で生えやすいので注意!
病気になりやすい
硝酸が多いと、とくにヒレの長いお魚は影響を受けやすい気がします。
お魚の肌トラブルが増えます。
それ以外にも免疫力落ちるので、硝酸で試験紙で分かる最大値250㎎/Lもあれば多すぎますので、定期的な水替えを行いましょう。
ちなみに、アンモニアや亜硝酸が多い場合は、中毒死することがあるので注意してください。
こちらは、ほとんどないことが目標です。
細菌がいっぱい
良くも悪くも細菌が多い可能性があります。
多量の有機物を分解するだけの微生物がその水槽内にいます。
細菌と聞くと嫌がられそうですが、硝化細菌のように有益なものもいるので、すべて悪者と考えてはいけません。
しかし、コリドラスのヒゲが溶けたり、オトシンクルスのヒレが溶けたりと
これらは細菌感染による症状になります。
水替えでは、増えすぎた細菌などの微生物を間引くつもりで行うと良いでしょう。
環境が良ければ数時間後には増えてます。
硝酸を調べても分からないこと
見落としもあるかもしれませんが…
上記以外のすべてです。
硝酸を検出する試験紙で主に気にするのは、アンモニアや亜硝酸の毒性のある物質について。
しかし、他にも毒性のある物質は多く存在します(手に付いた洗剤など)。試験紙では検出できないものもあります。
水槽からドブのような臭いや卵が腐ったような臭いがしているならば、調べるまでもありません。
早急に換気と対応を
他には溶存酸素量です。
少ないと酸欠で生き物が亡くなります。酸素を消費するのはお魚だけでなく微生物も使いますので、それも含めてアクアリウムなのです。
硝酸を調べて大丈夫・問題ないとするのではなく、まずは生き物を見て判断しましょう。
試験紙で得られる情報はそれで分かることのみです。
既に生き物が死んでいる環境であれば、何も大丈夫なことはありません。
試験紙で得られた値は、それで分かるもののみであったと考えて下さい。
一方で、硝酸についてだけでも問題ないことが分かった。
つまり、「問題の可能性を1つ潰せた」と考えると原因が分からずとも無意味ではありません。
間違いなく何も分からないよりずっと良いです!
試験紙は手軽に調べられる情報源です。有効に利用していきましょう(๑و•̀ω•́)و
オススメの試験紙
これらのTetra 6in1は毎日測定する必要はありませんが、水槽を多数持っている方や水質が不安定な小型を使う方は結構消費します。
セラのアンモニアテストは、大まかな値が分かればいい硝酸・亜硝酸よりも重要&年中購入できる商品なのでオススメします。こちらは、あまり店頭に並ぶのを見ないので、ネット購入が簡単な入手先ですね(*´ω`*)
硝酸を調べる必要性が分かったのであれば、試験紙は大きな武器になりますので有効利用しましょう!
使い方としては
立ち上げ初期はこまめに測定し、値の変動に応じて日の間隔をあけていくように使いましょう!
最後に
今回の記事は他の記事の補足に書きました。
お恥ずかしながら、分からない方向けへ書いておいた方が良いとの要望があったので簡単にまとめた次第です。
Twitterでもコメント頂ければ加筆修正や補足記事を出すことがありますので宜しくお願い致します。
今年最後に投稿が間に合ってよかったです(*´ω`*)
それでは皆さん!
良いお年を!!
今回はここまで
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