小型底生魚(淡水)の飼育環境についての記事です。
主に熱帯魚について述べますが、日本淡水魚でも飼育環境は応用できますので、そのような方も参考にしてみてください。
初心者の方は30cm小型水槽で始める方が多いと思います。その点も踏まえ、30cm水槽の環境で考えています。
かなり簡単な記事なので、これを見てから立ち上げを考えてもらえたら嬉しいですね!
もちろん、真面目に考えて書いています。
一時的な水槽ではなく、安定した管理を目指したものになります。
既に心に決めた底生魚がいるのであれば、目次から見たいところに飛びましょう!
はじめに
底生魚の多くは残飯処理やコケ取りの役割で購入されると思います。
一方で、とても魅力的な種類も多く、好んで飼育しているアクアリストもいるほどです。わたしもその1人。
水草の美しい水景を求めるのも1つの楽しみ方ですが、可愛い魚を泳がせてその愛嬌を楽しむのもいいですね!
最初のうちはしっかりと方向性を決めると、後で困ることも少ないです。今回は、後者の”魚の愛嬌を楽しむ方向け”として考えます。
対象魚種
小型魚が対象です。次の中になくても大きく問題のある魚種はあまりないと思います。細かい魚種は指定しませんので、かなり広く取り上げていきます。
底生魚はおくびょうな種類が多いですが、なついた時はとても嬉しいですよ!
温和な種類が多いです。魚どうしの問題が起きにくいのも魅力です。
・コリドラス
ナマズの仲間、底生魚の定番です。わたしもオススメの熱帯魚で、種類も豊富、繁殖も可能。何よりも、情報が多いので何かあったときに情報が集まりやすいのもオススメする理由です。
残飯処理として売られていることが多いです。正直な話、それだけを目的に飼育すると失敗します。
性格が温和な、”ショートノーズ(吻(ふん=口)が短い種類)”を最初は選びましょう。
個人的にオススメする種類は、コリドラス・ステルバイです。
(コリドラス・ステルバイ)
基本的に、使う底床は砂や大磯砂です。ソイルは不可能ではありませんが、オススメされる種類は少ないので候補から外します。(写真の底床はソイルですが…)
(コリドラス・ピグマエウス。通称、ピグミー)
購入は容易で、ネットやショップで沢山の種類が選べると思います。値段も安いものから高いものまで様々です。
(コリドラス・アドルフォイ)
コリドラスはお掃除熱帯魚として売られていることに物申す記事や魅力を語った記事はこちら
・ドジョウ
よく〇〇ローチと売られているのを見ますね。日本産のドジョウも愛嬌があって可愛いです。
しかし、種類によっては他の魚に攻撃的な種類もあるので、調べてから購入しましょう。
コリドラスと同じく、残飯処理として売られていることが多いですが…。サイズ制御しながら飼育するのをオススメします。
写真はクーリーローチ。トラのような色合いでかっこいいですね!動きはとても可愛いですよ~。
使う底床は砂や大磯砂です。 少し大きくなるドジョウは砂に潜ることがあるので、それを楽しむのもいいですね。
購入は容易ですが、最初の見た目以上に大きくなることがあります。事前に調べることは必要ですね。
・プレコ
近年、日本の川で問題になっていますが、こちらもとても可愛い熱帯魚です。
悪いのは逃がす者です。プレコに罪はありません。
「大きくならない」なんてことは言いません。魚の大きさは調べたサイズよりも大きくなると思って飼育しましょう。
30cm水槽であれば、1、2匹ですかね。
こちら、10cmを超えた個体です。たまに手を舐められましたね(笑)
この子は人懐っこい個体でした。
使う底床は大磯砂です。 ソイルや砂も不可能ではないですが、プレコは力が強いので底床が軽いと掘られます。他には、底床を敷かない「ベアタンク」というのも方法の1つです。
30cmで飼育するならブッシープレコですかね。こちらも調べると沢山出てきます。
値段は、500円以上が多いです。数を買わないので、意外と安く済みます。
・ハゼ
肉食の個体が多く、エサは生エサを好むので、飼育難易度は若干高めです。また、他の魚を攻撃することもあるので、混泳水槽を考えるならばかなり注意が必要です。(写真はありません)
それを考えても、慣れてくれればピンセットの先からごはんを食べてくれるので、オススメの魚種です。
使う底床は角がなければ何でもいいです。石や流木などを入れて隠れ家を増やすと、そこからひょっこり顔を出すので、隠れ家を気にするといいですね!
いろんなところに乗るので、立体的な石などの配置が望ましいですね。
ネットやショップでは、〇〇ハゼや○○ゴビーと売られており、ショップでは日本産のハゼが多い気がします。値段もハゼは300円以上から、ゴビー系は1000円以上から売られているのを見ます。単体飼育が望ましいので、ベタのような個室飼育がいいかと思います。
・オトシンクルス
このブログでは今更なので、書き始めると長くなるため手短に…
これを見てくれれば魅力の1%は伝わると思います。
コケ取り生体として購入するのが、おそらく多くのアクアリストの認識だと思います。
では、オトシンクルス単体で飼育するのはおかしいのでしょうか?オトシンクルス水槽は面白くない?
それは違います。最高です。
それはもうパラダイスですよ!
話を戻して、
使う底床は角がなければなんでもいいです。
値段は200~300円で、売られていない場所を探す方が難しいほど売られています。
最低限必要なものリスト
最初にこれらをそろえれば、後に他の水槽を立ち上げるときに役立ちます。
一応、1万円あれば揃えられそうな範囲で書いてみました。
- 30cm水槽
- 2つ穴エアポンプ(60cm用)
- エアチューブ
- 底面フィルター(エアリフト式)orスポンジフィルター
- エアストーン(2個)
- ヒーター(水槽の水量にあったもの)
- エサ
・水槽
30cm水槽でよくあるタイプは「30×20×25(幅×奥行き×高さ)」だと思います。今回はこの規格で記事を書いてますが、30cmキューブ水槽が置けるのであれば、かなり安定した飼育が望めます。
今回の水槽規格では水量が約13Lなので、ヒーターを選ぶときは水槽サイズではなく水量を事前に調べて選びましょう。
水量は、購入した水槽を調べれば出てきますし、薬品を使うときに必要な情報になるので覚えておきましょう。
・エアポンプ
エアポンプは30cm用のものでは出力が足りませんし、60cm水槽以上を対象としたエアポンプは排出量を調整できるものが多いので、今後も使いやすいです。
他には、1台で2つの水槽を管理することもできます。エアポンプを採用したのは、”応用が利く””1台で複数のことができる”など、長くやっているとかなり便利なので後に生かしやすいです。やはり、静音タイプがオススメ!
・フィルター
フィルターは、
底床を大磯やソイルにするなら底面フィルターやスポンジフィルター、細かい砂やベアタンクならスポンジフィルターがオススメです。
投げ込み式は定期的にろ材を交換しないといけないので選択肢から外しましたが、それでも問題ありません。
底生魚は水が淀むのを嫌うので、水の循環を意識してエアレーションをすることでかなり改善します。他には、エアストーンはエアレーションだけでなく、点滴法を行うのにも便利で役立ちます。
エアーの飛沫があります。困るようであれば、ふたがあるといいでしょう(水槽についていることが多いです)。
・ヒーター
熱帯魚を飼育するならヒーターは必須です。
オートヒーターでもいいので、26℃設定のヒーターを使いましょう。20℃設定のものはやめましょう。
・エサ
市販で売られている「底生魚のエサ」それで十分です。
または、「コリドラスのエサ」が粗タンパク質が多いので小さい量を買っておくのも良いでしょう。
一応、付け加えると沈下性のエサがいいですね。
ハゼについては、冷凍アカムシなどがいいかと思います。
プレコやオトシンクルスは、植物性の素材も入っているのがいいですね。(オトシンクルスは雑食です)
あったらいいものリスト
必須ではありませんが、長期飼育を意識するならあると格段に良くなります。
- 砂利・砂などの底床
- 水槽用のふた
- 温度計
- エアチューブ関連商品(キスゴムや分岐管など)
- 流木や石などの隠れ家
- 水草や浮草
- ライト(光は強くなくていい)
- カルキ抜きやバクテリア剤
- ピンセット・スポイト・ハサミ
- 水替え用具(バケツ、プロホースなど)
- コケを落とすもの
・底床
対象魚種やろ過方法によって考えましょう。基本的に角があるものはやめた方がいいです。どんなに綺麗であったり、性能をうたっていても、飼育魚を害するのであれば意味がありません。
底床によっては水質に影響を及ぼすものがあります。
紹介したお魚は、ソイルなどの水質を酸性に傾ける底床でも飼育可能ですが、念のため調べてから選びましょう。
コリドラスが砂をモフモフする光景が見たいのであれば、比重の高い細かい砂にすると派手に舞い散らないのでいいと思います。
このように魚種によって選ぶと選択肢の幅が抑えられます。(選択肢が多すぎても困りますよね)
写真のように色が明るい底床だと、魚の色が白くなったり薄くなったりすることがあります。
個人的には暗い色の方をオススメしますが、それ以外でも問題はないと思います。
・エアチューブ関連商品
キスゴムはあると便利です。エアチューブは上に浮いてきてしまうので、水槽内がごちゃごちゃして大変見苦しいです。壁に固定してそれを減らすのに役立つでしょう。
二又、三又の分岐管はコックが付いているものが理想的です。
分岐したエアーの量を細かく調整して分配できるので出力の高いポンプを使うときに便利です。
他には、L字菅などいろいろあるので、必要になってから購入してもいいかもしれません。
・隠れ家
流木や石などはレイアウトに組み込むと、雰囲気が大きく変わります。
ただ、水質に影響を与えるものもあるので気をつけましょう。
例えば、流木は水質を酸性に傾けることがあり、石は硬度をあげることがあります。
流木や石以外にも、素焼きの商品が売られてますし、塩ビ管なども隠れ家になりそうですね。
一方で、アクアリウム用に作られていないものは、塗料が剥げたものを魚が飲み込むことがあるので注意してください。なんでも入れていいわけではありません。
・水草や浮草
ライトが弱い。または、ライトをつけないのであれば、
アヌビアス・ナナやミクロソリウムなどの陰性の水草がいいでしょう。
他には、ライトをつけてアマゾンフロッグピットなどの浮草を浮かべたり、有茎草を植えるのもいいですね。
ただ、底生魚は底床を掘るものいるので、植えても抜かれることを考えましょう。
候補として、流木や石に活着したものを使うのもいいかもしれません。
・その他
残りは書くことが少ないのでまとめました。
ライトは水草を育成しないなら強い光のものを選ばなくていいです。
光が強すぎる場合は、水槽から離して光を調節しましょう。できれば毎日同じ時間に点灯・消灯してください。
カルキ抜きは汲み置きの水がつくれないときにあるといいです。
バクテリア剤は立ち上げ時に入れることで水質が安定しやすいですが、無くてもかまいません。
水替え用品はあるとかなり楽になります。
とくにプロホースや大きなスポイトは底床掃除に役立つのであるといいです。プロホースのオススメはMかLです(Sは排出量が少ない)。
コケ取りようにスクレーパーと「激落ちくん」をわたしはよく使います。小型水槽だと、激落ちくんがいいですね(安いですし)。
続く
立ち上げや飼育方法などについては、次のその②で解説しています。
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