【初心者向け】オトシンクルスの安定した環境の考察

オトシンクルス

今回はオトシンクルスの飼育環境を考えてみました。

初心者の方は水槽づくりの参考にしてみてください。

餌付けがまだの方はこちらをどうぞ

現在、我が家ではオトシンクルスを5台の水槽で管理しています。

どの水槽も突発的に亡くなることが減りました。

この記事は個人の感想と考察をまとめたものになります。

飼育の参考にしてみてください。

考察のみ見たい方は、目次から「考察」に飛んでください




はじめに(前提事項)

安定した環境と言われても、どこを基準に話をするかで変わりますね。

私は以下のことを最低ラインとして、オトシンクルスに必要な環境について考えてみました。

この話の前提事項として確認ください。

季節変化は考えない

季節の変化を考慮すると長くなってしまうので今回は割愛させてもらいます。とくに夏場などのヒーターでの管理が難しい時期や地方特有の気温変化もあるので、大きな温度変化についてはこの記事では扱いません。

期間を1ヵ月とする

わたしはオトシンクルス昔から飼育していますが、意識して飼育方法を考察したのは今年からになります。よく言われる寿命の3年以上生きている個体ももちろんいますが、すべてが混泳水槽の個体です。他の要因も考えられるので、参考程度に考えています。

なぜこの期間を指定しているかというと…

安定して1ヵ月以上飼育できている水槽があるので、それを中心に考察しているためです。

複数匹の飼育である

これはそこまで気にしなくても良いかもしれませんが、わたしは複数匹での飼育を基本としています。この記事の考察の多くは1匹であってもあてはまるかとは思いますが、前提として複数匹からの飼育経験をもとに考察しています。

単体飼育である

混泳をしない前提で考えてます。実際観察していた水槽はシュリンプとオトシンクルスのみの水槽でした。力関係は、オトシンクルスの方が圧倒的に強かったです。

購入初期に隔離水槽で餌付けしている方やそれを考えている方、オトシンクルス単体で飼育したい方以外でも、一時的にオトシンクルスだけを避難させることがあるかもしれません。一種の生体として考えてみました。

購入したばかりの生体である

こちらも慣れた個体でも変わらないとは思います

我が家の場合、すべてのオトシンクルスの餌付けを終えてしまっているので、餌付けからを考えると新しくお迎えしないと参考になりません。そのため、観察水槽は新しく立ち上げて使っています。

そのような理由であるため、前提事項としてあげています。

水質は注意する

病死と関係がありますが、水質の悪化にオトシンクルスは弱いです。

それによる突然死や感染症にかかることが考えられます。

この点は考察の重要部分になりますね。

現在の水槽

最もオトシンクルスの状態が良いのは、90cm水槽と30cm水槽のオトシンクルスです。

90cm水槽は混泳水槽であることと、最近は写真が撮れないような位置に隠れているので細かい観察がしにくいので今回は割愛します。一応、抱卵個体が数匹確認され、どの個体も栄養状態がとてもよくヒレがキレイです。

水量の少ない30cm水槽でもオトシンクルスは安定して飼育できています。こちらもとても個体の状態が良いです。

以下、30cm水槽のオトシンクルス

各ヒレがキレイですね

状態が悪いオトシンクルスはヒレの先端が溶けてしまいます。

元々この子たちもヒレが溶けていたり、大きく欠けていたりしましたが、自己治癒で元のヒレ以上にキレイになりました。

我が家でも自慢の3匹です!

水槽は次のようなレイアウトです。

水質

水質は「テトラ テスト6in1」と「テトラ テスト試験紙pH」 で量っています。

水替えの前に軽く量りますが、pHが6.3~6.8硝酸塩が50mg/L亜硝酸塩が1mg/L未満となっています。(値は簡易的な試験紙のものであるため参考程度に)

この水槽は生体を入れる前にしばらくまわしており、状態の良い水槽から水を貰っていたものなので生物ろ過は安定していると思います。

ただ、与えたごはんは6時間ほどかけて食べているようなので、その分水質に影響しているはずです。水替えの日はごはんを与えていないので少し低い可能性もあります。

水は生物ろ過が働いているため、溶けている有機物が少ないようで、水カビが発生しません。

オトシンクルスにとって水カビは脅威です。発生するようであれば、水質改善に努めましょう。

ろ過

水質でも少し触れましたが、生物ろ過がとてもうまくいっています。

そもそもオトシンクルス水槽で最も気をつけているのがろ過です。

この水槽は底面ろ過(エアリフト式)とウッドストーンのエアレーションを1つずつ使っています。

このように聞くと初心者の方は、ろ過とエアレーションの組み合わせでとてもコストがかかると思われるかもしれませんが、わたしは水槽2つを2つ穴エアポンプ1台でまわしています。

エアチューブを分岐させればエアポンプ1台でもなかなか使えるものですよ。コンセントも1つあれば足りますし、とても重宝してます。

エアレーションは水中の好気性細菌の活動を助けるので、生物ろ過を向上させます。また、夏場の溶存酸素量が低下する時期には必須ですね。エアレーションによる水の流れは、位置を考えて置くことで止水域を減らせます。流れは水槽内を流れるゴミを追うと大体分かりますよ(笑)

水温が30℃を超えると突然死のリスクが上がりますが、ろ過を増やすことでそのリスクがかなり減りました。今では、長期飼育を意識している水槽は、必ずろ過とエアレーションの組み合わせを試しています。

30cm~45cm水槽であれば、ろ過とエアレーションの組み合わせでオトシンクルスの突然死がかなり減ると思います

ベタやグッピーなどのメダカの仲間は水流を気にしますが、オトシンクルスは水流が多少強くても問題にならないのもいいですね。

ヒーター

ヒーターはGEXさんのオートヒーター(26℃)を使っています。

カバーはつけたままですが、中に挟まることは1度もなかったので、普通に使用しています。今年の夏に購入しました。本当は細かく温度が設定できる方が良いのですが、水槽内がごちゃごちゃするのが嫌だったのでオートヒーターにしました。

基本的にオトシンクルスを飼育するなら25℃以上の温度は欲しいところです。オトシンクルスは20℃前後では病気にかかりやすいですし、オートヒーターの温度にもムラがあるからです。

ちなみに、真夏のクーラーによる水温の変化を緩和させるためにもこのくらいの温度が良いですね。

20℃設定のものはダメです。ヒーターをつけないのは論外です。安定した飼育からはかけ離れています。(室温調整できる場合は除く)

必ず適正サイズ(容量)が水槽水量以上のヒーターを使いましょう!

なんでも食べてくれますね。与えているのは基本的に人工飼料です

ヒカリクレスト コリドラス」「ヒカリクレスト プレコ」「リベラ DELフィッシュフードSM」この3つを与え分けています。

食欲旺盛なときはプレコを割って与え、わたしが忙しいときはコリドラスを与えます。基本的には、DELフードを適量とって専用のエサ場に入れてます。

同じものが続きすぎると飽きてしまうことがあるようなので、たまに変えたり、水替え日にごはんを抜いたりしてます。

写真のわずかに残っているごはんはDELフードです。

底床にエサが入ると腐敗の原因になるので、生体数に合わせてエサ場をつくってます。

このエサ場はお気に入りらしく、よく張り付いているのを見ますね(笑)

可愛いです。

ごはんは1日1回朝に与えています。

朝はわたしよりも早く、この子たちがエサ場でごはんを待っています。 可愛いです。

上記の餌の使い方についてもこちらでまとめています

その他

水草

正直あまり気にしていません。

ロタラ系を中心に植えていますが、sp.Harに関してはコケに負けてます…

ウイローモスもコケに負けてます。管理が悪いですね…。

できるだけ有茎草を中心に植えると良いかと思います。

二酸化炭素の添加はしてません。

流木

2本入ってます。

1つは半分埋め込んで、もう1つはモスを活着させてます。

隠れ家と非常食(表面に付いた微生物)として入れています。

食後に流木の下からこちらを見ていることがありますね。

水替え

現在、週に1回行っています

最初の頃は、水草ストック水槽の底泥を少しだけもらいました。

生物ろ過が上手く働けば、週1回の1/3~1/2の水替えで足ります。

(おまけ)あいさつ

毎朝、「 おはよう 」と語りかけてます。

あいさつは大事です。

(ピグミー水槽ではあいさつだけで逃げられます。)

冗談は置いておくとして、

毎日の観察は大切です。ヒーターやスポンジフィルター周辺は毎日チェックしましょう。

そこで動けなくなっていることがあります。

その状態では半日ももちませんので、注意して下さい!!

考察

長期飼育するうえで最も重要視するものは、餌と水質です。

他には、器具の配置ですね。先日これが原因で3匹のオトシンが亡くなりました。

ある程度ローテーションして与えられると良いと思います。

基本的に、人工飼料を与えたいです。

生エサも良いのですが、管理が大変であることと、腐敗しやすいことが問題です。

たまに与えるのであればよいかと。使いどころ次第ですね。

人工飼料は粒単位で与えることが可能であることと、飼育者の手が触れなくて済むことが重要視している理由です

粒単位で与えられると、1匹当たりの1回のエサ量が管理しやすいです。また、記録しやすいのも優秀です。余分に与えたり、食べやすく加工したりしなくて済みます。食べきれたか分かるのもいいですね。「1個では多すぎたから次は半分であたえよう」などと考えられます。

ヒトの手は汚いです。手を洗っても今度は洗剤が付いている可能性が出てきます。魚が毎日食べる物には手が触れる機会がほとんどないことが理想的です。管理上、どうしても水槽に手を入れることはありますが、魚の体内に入る物については注意したいですね。

エサ場はできるだけつくりたいです。

上記したように、底床の隙間に入ることで腐敗するのを防ぐためです。ごはんの取りこぼしがなければ、量の調節に役立ちます。

他にも、オトシンクルスはエサ場を覚えます。繰り返し与えることで顔を見せてくれるようになります。

生存確認のためにも、毎日のごはんの時間は有効活用しましょう。(それでも出てこない個体はいます)

また、エサ場は個体間の優劣も分かります。オトシンクルスどうしであっても、強い個体と弱い個体はいます。他にも個体間のやりとりなど分かることもあるので、観察しやすい場としても使えます。写真も撮りやすいです。

水質

長期維持には絶対的にこれを考えなければなりません。

水替えについて

30cm水槽でエあれば、最長2週間に1回は水を取り替えなくてはいけません。もちろん、水を加えるのではなく、水を抜いて、水を入れる、水替えです。水中に増えた栄養塩や有機物などを取り除く目的があります。

わたしは、週1回です。これがとても安定しますし、体調を崩す、拒食になるなどがなくなりました。量は1/3~1/2で、水槽の水温に近い水を使っています。

これを怠ると最悪の場合、理由が分からない突然死です。(原因は水質の悪化なのですが…)

定期的な水替えは手間ですがかなり効果的です。悪くなってから行うのは遅いので、毎週の水替えこそが上手くいっている秘訣といっても過言ではありません。

ろ過について

上記しましたが、30cm水槽では底面ろ過とエアレーションを行っています1つのろ過でまわすのは余程強力なものでない限り難しいです。もしくは、水量の多い水槽かですね。

おそらく、オトシンクルスは止水を嫌います。細かく述べるなら、水が淀んだ場所です。水草を植えた水槽内では意外とできやすいです。それでも、水草の活動が活発で代謝が多いと多少は大丈夫かもしれませんが…。オトシンクルスはびっくりしたときに、その水塊に突っ込むことがあります。そのとき中毒死するのではないかとわたしは考えています。わたしが止水を嫌うと思う理由は、好む場所の多くがろ過の吸水口付近や流れがぶつかる場所の近く(とくに隠れられる場所)だからです。

エアレーションで水を動かすことで多少マシになりますし、何よりお手軽な方法だからです。一番良いのは、外部フィルターを使って、水槽全体の水量を増やすことですね。

30cm水槽であれば、エアポンプ1台で2つのことがこなせます。特殊な技術はいらないうえに、3000~4000円もあれば両方始められるお手軽さです。60cm用以上のエアポンプをお持ちであればもっと安く済みます。

以下、オススメ商品一覧

このエアポンプは上記の方法が可能です。

オトシンクルスなどの底生魚を飼育するならば排出量が多いものを使いたいですね。ちなみに、量の調節もダイアルでできるタイプです。

エアストーンは私のお気に入りをチョイスしていますが…💦

いぶきさんのストーンはエアーが細かく奇麗なので、ついオススメしたくなってしまいますね。

分岐コックは水合わせにも使えるので重宝します。よくお店で売られている安いネジ式(バルブ式?)の一方コックは空気を逃がしてエアー量をコントロールするため、水合わせに不向きです。

水草について

水草は根や葉などでゴミを受け止めます。表面ではバクテリアも活動し、立体的なろ材としても貢献しています。代謝により硝酸や亜硝酸などを取り込むので、水質を安定させます。光合成を行い、酸素を放出します。それぞれ過信するほどではありませんが、水草の成長の早さによっては良い効果があります。成長すれば隠れ家にもなるので、わたしはよく入れますね。

一方で、増えすぎると止水域増やし、枯れると水中に有機物が増えます。その点には注意して使いたいです。

30cm水槽を前提としますが

その程度の水量であればこの水草セットで初心者も簡単に雰囲気を出せる&流木付きであるためオトシンクルスの飼育環境に適しています。

私も適当にレイアウトをそれっぽくしたいときに使っていたりします(笑)

レビューを見る限り大丈夫そうですが、一応処理をしてから入れています。

病気について

上記したように、オトシンクルスは病気に強いです。しかし、水質が悪くなったり、水温が下がったりすると病気になります。

白点病にかかったオトシンクルスは意外ともちます。かなり進行していても、薄めた薬と加温(28℃くらい)、ろ過、栄養価の高いエサ等で完治することもあります。免疫力は高いです。

尾びれが一部欠けていても、2週間ほどで元に戻っています。溶けた尾やヒレ、皮膚も気づいたら治っています。下手に隔離するとそれで弱ってしまうことがあるので、水槽の状態が良いのであれば、怪我なら治せることがあります。

しかし、微生物の使いやすい有機物の多い水であると悪い細菌や菌がわきやすいです。その中でも水カビが厄介で、エサを余らせやすいオトシンクルスの水槽の天敵です。傷口などから皮膚に感染すると、塩浴や薬で回復する間も与えず広がることもあります。

生物ろ過がよく働いている水槽では滅多に見ませんが、立ち上げたばかりの水槽やろ過が未熟な水槽では爆発的に増えることもあります。オトシンクルスは免疫力や再生力は高いですが、感染症などは速やかに隔離したり、水質を整えたりしましょう。他には、エサの量を調節したりと、原因となるものを減らしましょう。水カビがエサに生えやすい水槽はろ過が未熟です。

器具の配置

先日、スポンジフィルターと壁の間にオトシンクルスが挟まって亡くなりました。元々入らないように壁に強くくっつけたのですが、その中に無理やり突っ込んで行ったようです…。

オトシンクルスは基本的に前にしか進めません。そのため、すごい勢いで突っ込みます。物にぶつかって鼻先が削れたり、皮膚が削げたりします。底床はそれを考え、角の少ないものを使うのが良いです。購入したばかりのものは、ショップで取り出すときに鼻先が剥げてしまっていることがあります。

他にも器具の配置は重要です。

水の淀みをつくらないように、水が循環するように考えましょう。ヒーターの下によくオトシンクルスは隠れます。直接流れが当たらなくてもよいです。その付近の水がまわるように流れを調節すると良いでしょう。水の流れは、水中を浮遊しているものを目で追えば大体わかります。

エサ場の器が深い場合、奥で水が淀みます。少しでも流れが当たるところに置くと良いですね。

ろ過の排水口は流れを考えて向きを調節するといいですが、できないものもあります。そのためにもエアレーションが役に立ちます。排水口は上から下に流れをつくるものが多いですが、エアレーションは下から上です。それを意識して配置するといいでしょう。

隠れ家があると良いでしょう。そこも近くにエアレーションや吸水口などを配置して水が淀まないようにわたしは配置しています。

ヒーターのカバーは事故が多いので気をつけてください。「ギリギリ隙間に入らないかな?」はアウトです。ゴキブリのように隙間に入ろうとします。かなり強引に。ちなみに、カバーがなく剥き出しの方が事故がないです。オトシンクルスはヒーターが熱くなったら離れます。一応、驚いたときにぶつかる可能性はあるので注意はしてください。

わたしは経験がありませんが、スポンジフィルターのスポンジに引っかかってしまうことがあるようです。確かに、網に引っかかることがよくあるので注意が必要ですね。少なくとも、壁や底床から浮かせた方がいいかもしれません。私はそれで3匹のオトシンクルスを殺してしまったので…。わたしのような失敗はしないように気をつけてください。

最後に(まとめ)

少し書くつもりだったのですが、長くなってしまいましたね💦

軽くまとめておくと

・餌は人工飼料がオススメ!量を調節しながら複数種類与えるのも効果的。

エサ場があると便利!観察もしやすい!!

・水質は重要!30cm水槽ならろ過とエアレーションの組み合わせが必要。水カビが出やすいならろ過が不十分。

水替えは可能な限り毎週行おう!病気や突然死のリスクを減らせるよ。

器具の配置は考えて置こう!水の流れを意識するといいよ!!

このようなところでしょうか。

このように見ると、大したこと書いてませんね(笑)

この記事は餌付け方法とは別で、その後の管理についての話になりますね。わたしの考えなので「絶対にこうでなくてはいけない!」ということではなく、飼育で困ったときの答えの1つとして参考にしていただけたらと思ってます

Twitterでも分かる範囲では答えていますが、分からないこともあるので、これからも飼育方法については考えていきます。現状でも数ヵ月飼育するだけなら問題なくできてますが、繁殖を狙っていきたいので、これについても考えることがありますね。

できるだけ安定したオトシンクルスの飼育方法を確立したいと思っております。

今回はここまで

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